第3回NEWWITCH杯 Round4
ヤブモトタロウマルvsナカムラユウト
by Koichi Motegi

大阪では梅雨入りが発表されていたが、
まるで参加者たちの想いを表すかのように、快晴の下に開催された第3回NEWWITCH杯。
そしてついに最終戦第4Roundが開始された。
決勝の対戦カードは前回と同様、対照的な背景を持つ選手同士の戦いとなった。

ナカムラは前回大会も決勝まで残り、惜しくも破れ準優勝となった。
その悔しさをバネに自慢の赤単アグロを更にブラッシュアップして大会に臨んでいた。
後に聞いた話だが、ナカムラは運命再編から初めてマジック・ザ・ギャザリングを始めたという。

一方のタロウマルは当日に別の参加者からデッキを借りて急遽参加。
そんな状態でも大方の予想を裏切って決勝までコマを進めていた。
タロウマルはかなり古参のマジックプレイヤーだが、ここ5年くらいマジックをほとんど触っていなかったという。

その背景も、参加の経緯も真逆の二人。
第3回NEWWITCH杯優勝の栄冠はどちらの手に渡るのであろうか。
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Game1
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お互いキープして、ゲーム開始。
先攻はタロウマル。
沼をセットするやいなや、《蔑み》をうつ。
ナカムラの手札を見ながら、長考に入る。
クリーチャーは《大歓楽の幻霊》しかいないので、それを捨てさせるしかないのだが、
タロウマルには違う何かが見えているようだった。
そしてターンエンド。

ナカムラはその後、《ドラゴンの餌》を展開し、前回大会も活躍した《凱旋の間》をセット。
そこからは終始ナカムラペースだった。
タロウマルが何も展開できないのをいいことに、《前哨地の包囲》《軍属童の突発》と
赤単最重要と思われるカードたちを息つく暇なく繰り出していく。
タロウマルは《コラガンの命令》で《凱旋の間》を破壊し、状態を立て直そうとするも、
しかし時すでに遅く、《かき立てる炎》を本体に打たれ、このゲームはナカムラの勝ちだった。

タロウマル0-1ナカムラ

蔑み》をプレイした際のタロウマルの目は一体何を見ていたのだろうか。
私の気のせいだったのか。それとも次のゲームで明らかになる…のか。


Game2
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始まりはGame1と同じような感じであった。
ナカムラが軽いクリーチャーを次々に展開していく。
それらのアタックをタロウマルがクリーチャーでブロックして相打ちに持ち込むが、
タロウマルのライフが徐々に削れていく。
それが一変したのが5ターン目だった。
タロウマルは自信満々に《悪性の疫病》をセットする。
思わぬカードの出現にナカムラもそのカードを何回か確認せざるを得ない。私も確認した。
後にデッキ作成者のクリハラに聞いたところ、
赤単アグロは今大会絶対に対策しなくてはいけない。ほぼ完璧にシャットアウトできるのがこのカードだ。
と語っていた。
ただの2/2のクリーチャーと成り果てた《ゴブリンの熟練扇動者》(トークンが出てきた瞬間に死んでしまうからだ)。
ナカムラの手札の《軍属童の突発》も完全に使えない紙と化してしまった。

タロウマル1-1ナカムラ
Game1でタロウマルが見ていたものはこれだったのか。
決着はGame3へと持ち越しとなった。


Game3
今までの激戦が嘘のようにすぐに決着がついてしまった。
早さが信条の赤単アグロを使っているナカムラが2ターン何もしなかったのだ。
そして3ターン目も相手のクリーチャーを除去するための《弧状の稲妻》。
タロウマルは5ターン目から《嵐の憤怒、コラガン》を疾駆で唱える。
これをあと3回続けた。勝った。

タロウマル2-1ナカムラ
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ナカムラは2大会続けての決勝での敗戦。
タロウマルは飛び入り、そして復帰戦での優勝。
つくづくメタゲームの恐ろしさとサイドボードの重要性を感じた試合だった。

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